これからのランニングは「ゾーン」で語る時代

今日は長距離トレーニングにおいて非常に重要な「トレーニングゾーン」についてお話しします。ランナーのみなさんの中には腕時計にガーミンをつけて走っている方も多いかと思います。ゾーンはガーミンの計測の一つにもなっているので、ご存知の方も多いかもしれません。私のブログではこのゾーンを取り上げた話の記事をこれからも投稿していくので、今回はその基本的な説明をしておこうと思います。私はおそらく今後数年のうちに、日本でもゾーンで練習タイムやボリュームを語る時代になってくると考えています。なぜなら海外ではすでにオーソドックスな内容であるからです。特にゾーン1からゾーン6までの各ゾーンがどのように異なり、どのようにトレーニングに役立つかを詳しく解説していきます。

目次

はじめに

まずはじめに、長距離トレーニングにおけるトレーニングゾーンとは何か、そしてなぜこれが重要なのかを簡単に説明します。トレーニングゾーンは、心拍数や運動強度に基づいて区分けされ、各ゾーンは異なるフィジカルおよびメンタルスキルを鍛えるために使用されます。

ゾーン1: リカバリーゾーン

最初に紹介するのはゾーン1、リカバリーゾーンです。このゾーンでは、最大心拍数の50-60%程度の強度で運動を行います。非常に軽い運動で、主にリカバリーやウォームアップ、クールダウンに使われます。体への負担が少ないため、疲労を回復させるのに最適です。大体の方がウォーキングやLSDなどを行う速度と考えていいと思います。私の場合ですと㌔7〜㌔8分くらいの速度でこのくらいの強度になります。少し早歩きで㌔10分くらいのペースもそのくらいの心拍数になります。何かを強化するというより、その他のゾーンで疲労した身体の回復促進と私は考えています。健康づくりのために走り始める人にはおすすめのペース帯です。

ゾーン2: エンデュランスゾーン

次にゾーン2、エンデュランスゾーンです。ここでは最大心拍数の60-70%程度の強度で運動します。このゾーンは長時間の持久力を鍛えるために最も重要です。脂肪を燃焼しながら、心肺機能を向上させる効果があります。後日動画をアップしますが、海外の一流選手はこのペース帯でのトレーニングボリュームが大半を占めます。私の場合ですと㌔6から5分程度の速度です。

ゾーン3: テンポゾーン

ゾーン3はテンポゾーンと呼ばれ、最大心拍数の70-80%の強度で運動します。このゾーンでのトレーニングは、市民ランナーさんであればマラソンレースのペースに近い強度で行われ、持久力とスピードを同時に鍛えることができます。レースのシミュレーションにも適しています。ただ、最近の海外の一流選手はこのペース帯でのトレーニングボリュームを少なくする考えの選手も多いです。私の場合ですと㌔5から4分程度の速度です。一方でロング走、いわゆる距離走の効果である毛細血管の発達を最大限に出すには、このペース帯で90分から120分やることが大事だと、かの有名な指導者アーサーリディアード氏は述べていました。(参考本↓)


日本の場合、駅伝強豪校を中心に、ジョグと言ったらこのくらいのペース帯を指しているように考えます。私もちゃんとロング走を、ポイント練習の意味で取り入れるのであればこのペース帯でやります。

ゾーン4: ラクトートゾーン

ゾーン4、ラクトートレゾーンでは最大心拍数の80-90%の強度で運動します。このゾーンは乳酸の閾値を超えるため、体にとって非常に負荷の高いトレーニングとなります。乳酸の耐性を高め、スピードと耐久力を向上させるのが目的です。私の場合、テンポ走といったらこのくらいのゾーンで2000を3から5本などで実施します。ペースで言うと㌔3分10秒から3分40秒くらいでしょうか。海外では、ゾーン3の配分を極力減らして、このゾーン4以降のペース帯を多く取り入れるといった考え方が、一流選手の間で取り入れられています。筋肉や腱に対する機械的ダメージを抑えることを踏まえてか、心肺機能や毛細血管の発達はゾーン3ではなくゾーン2の配分を増やすことで賄っている様です。私も経験的にゾーン3では、ゾーン4以降の練習に耐えるための回復が、追いつかないと考えています。もちろんそれも、故障しない強靭な脚作り、最大限に心拍出量や毛細血管の発達を促す効果がゾーン3にあるといった考えは前提にあります。

ゾーン5: アネロビックゾーン

ゾーン5はアネロビックゾーンと呼ばれ、最大心拍数の90-95%の強度で運動します。ここでは無酸素運動が中心で、爆発的なパワーとスピードを鍛えます。インターバルトレーニングやスプリントに使われることが多いです。私の場合、テンポ走といったらこのくらいのゾーンで1600を3から4本などで実施します。ペースで言うと㌔3分05秒から3分15秒くらいでしょうか。根本的に記録向上を目的として走力を高めるのであればこのペース帯の練習が必要不可欠です。ただ楽ではないので分割して実施することをお勧めします。また土台となるゾーン2やゾーン3における走り込みも計画的に強調して取り組まなければ、先日私が動画やブログで説明した「非機能的オーバーリーチ」に繋がりやすいペースでもあります(関連動画↓)

ゾーン6: マックスエフォートゾーン

最後にゾーン6、マックスエフォートゾーンです。これは最大心拍数の95-100%の強度で運動します。全力を出し切るトレーニングで、短時間で最大のパワーを発揮するためのゾーンです。非常に負荷が高いため、短時間で行うのが一般的です。私のイメージ、最大心拍数の100%と言っても短時間で終了するため、そこまでの心拍数にならない印象があります。単純にガーミンがその時間で反応しきれないのもあると思います。ただ呼吸はかなり荒れます。欧米ではこのペース帯でのトレーニングが多い様です。いわゆるHITTトレーニングなんかもこの領域です。私の場合ですと、レペティションで600mを3から4本走ることがゾーン6に相当します。1500mのペース帯を意識して、調子のいい時は95から100秒くらいでやります。また、アフロランニング&ボディーメイクの低酸素トレーニングサービスでもある、エアフィットネスでも、パワーマックスという据え置き型自転車を使って全力30秒を3から4本などを進めています。このトレーニングもゾーン6を鍛えてもらう考えです。エアフィットネスサービスについてもリンク先載せておきますね↓低酸素で行う理由も記載してあります。

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まとめ・大森の直近トレーニング

以上が長距離トレーニングにおけるゾーン1からゾーン6までの解説です。各ゾーンにはそれぞれ特定の目的と効果があり、これらを効果的に組み合わせることで、総合的なパフォーマンスを向上させることができます。私もレースから逆算して今はここにフォーカスを当てる時期と考えること。またそうやって決めたゾーンの時期であっても、そのゾーンだけに集中するのではなく、他のゾーンも維持程度に組み込むといった考えでいます。みなさんはゾーンについてどの様にお考えでしょうか?

以下は大森の2024年8月31日から9月2日の練習内容です↓

8月31日;山中湖27.01km
平均ペース(/km);4:18
平均心拍数(/分);162
平均ピッチ(spm):166

コメント;木曜日よりは気温も高いようだったけど、風も強めに吹く場所や、木陰の場所も多かったため比較的走りやすかった。特に左の拇指頭抜けと左の肋骨に肘がくっつくくらい脇を締めてまっすぐ振る意識をした。さすがに22km以降脚が疲れを感じ始めるたが、そこで動きを崩さなかったのも良かった。新しいヴェイパーだったがドロップの位置で後方に着くこと、またそれに伴って腰椎が反らないことを意識した。腰が抜けないようにしたい。若干右のチョウケイが怪しい気がしたが、左に意識を向けたら大丈夫だった。

9月1日;10.01km jog
平均ペース(/km);5:05
平均心拍数(/分);148
平均ピッチ(spm):158

コメント;台風の合間で少し小雨。時折日差しもある中で走りかなり汗をかく。湿度が高い。ズームフライで走ったがかなり寿命がきているようでグリップ力は無い。

9月2日;御殿場1.6km×2(アップダウンあり)

10kmペースからハーフマラソンペース rest5分

タイム:585mごと、ラストは535m()内は心拍数
①1:54.67(127)1:55.15(157)1:50.8(163) *187spm
res5:09tjog(129)

②1:56.69(147)2:04.59(161)1:49.63(154)※184spm終了
コメント:心拍数は全然上がってないのにきつくてタイムが出せなかった。この何日間かドロップ位置で接地することにこだわり過ぎて動画を見返すと後方でチョンチョン跳ねるような動きになっていた。その場で腿上げをしながら走っているような無駄な動きをしていた。その後3時間くらい走る動画を撮りながら動きの修正をした。最終的にはガニ股で振り出した脚に体重をシフトしながら乗り込むと地面をしっかり捉えた比較的スムーズな動きになってきたと思う。ただこれが正解かどうかは実際のポイントのタイムと照らし合わせる必要がある。水曜日に同様のトレーニングをやってみてその結果で正しいか判断したい。

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