「楽しく走ろう!戦略的休養を意識したマラソン練習術&オーバートレーニングの注意点」〜活性酸素・ドーパミ・伸張性収縮・尿酸値と無酸素運動〜

目次

始めに

真剣に休む」みなさんはこの言葉をどう感じますか?

毎日頑張って走ることは本当に素晴らしいです。しかし、「毎日走ること」と「目標タイムで完走すること」、あなたはどちらを目指したいですか?もしかしたら、真面目なランナーさんなら「休むこと」を「だらしない」とか「甘え」と感じるかもしれません。でも、実は休むこともとても大切なんです。

実を言うと、私自身も今、絶賛不調中で、この動画制作を通じて、みなさんと一緒に「休養」の重要性について学びたいと思っています。

こんにちは、!理学療法士ランナーの大森です。今回の動画では、「機能的オーバーリーチング」や「オーバートレーニング」といった用語の説明と深掘り。そして「なぜランナーは無理してしまいがちなのか」についてお話しします。充実したコンテンツを保証しているため前編・後編2回の動画に分けさせてもらいました。初心者ランナーさんにも分かりやすくお伝えしますので、安心してぜひ最後までご覧くださいね!

休むことも練習の一部です。一緒に学んで、より良いランニングライフを送りましょう!

このブログ内容もYouTube動画にしてあります↓長編動画なため前編・後編2部構成とさせていただきました

機能的オーバーリーチングvs.オーバートレーニング

まず初めに、休養の大切さについてお話ししましょう。みなさん、部活や勉強、仕事で忙しい毎日を送っていると思いますが、体を動かすことも大切ですよね。でも、頑張りすぎて体を壊してしまったら元も子もありません。例えば、スマホをずっと使い続けているとバッテリーが減ってしまいますよね。充電しないと使えなくなってしまいます。私たちの体も同じで、休養をとることでエネルギーを回復させるんです。ここでは具体的に同様のことが身体の中で起こる「機能的オーバーリーチング」と「オーバートレーニング」とについて説明します。ちょっと難しい言葉ですが、安心してください!

機能的オーバーリーチング

まずは「オーバーリーチング」についてお話ししますね。機能的オーバーリーチングとは、少しだけ無理をしてトレーニングすることを指します。そして、その後にしっかりと休養を取ることで、体が強くなります。これって、試験前にちょっと頑張って勉強して、その後にしっかりと休んで知識が定着するのと似ているんです。この繰り返しがランナーの走力を向上させる基本的な考え方なんです。

オーバーリーチングにはもう一つ、以前の動画で説明した「非機能的オーバーリーチング」というものもあります。これも効果的なトレーニングスケジュールを組み立てる上でとても大切です。まだご覧になっていない方は、概要欄にリンク貼ってますので、是非その動画もチェックしてみてくださいね👇

オーバートレーニング

次にオーバートレーニングです。こちらはよく耳にしますよね。これは、体を休ませずに無理をしてトレーニングを続けることを言います。たとえば、毎日寝不足で勉強しても頭に入らないですよね。それと同じで、体も休まないと逆にパフォーマンスが下がってしまうんです。

オーバートレーニング状態に陥ると、体が疲れすぎてしまい、簡単には回復しない慢性的な疲労がたまってしまいます。この状態になると、パフォーマンスの低下がすぐには改善されず、回復には数週間から、重症の場合には数ヶ月かかることもあります。

だから、頑張りすぎずにしっかりと休むことも大切なんです。部活や勉強も大切ですが、体を大切にすることも忘れないようにしたいですね!

なぜオーバートレーニング症候群が起こるのか?

オーバートレーニング症候群の原因は、主に「トレーニングの基本原則を無視して過度なトレーニングを続けること」にあります。トレーニングの基本原則には「過負荷(オーバーロード)の原理」があります(下図a~c)。これは、適切な負荷をかけた後の回復過程を大切にし、その超回復期を利用して次の負荷をかけることで、十分なトレーニング効果を得るというものです。

図cで示されているように、回復過程を無視してトレーニングを続けると、逆効果となり、最終的にはオーバートレーニング症候群に至ります。そしてこの症状は軽症、中等症、重症の3つに大別できます。

軽症の症状

まず、軽症の場合です。この段階では、トレーニングのパフォーマンスが少し落ちるだけで済みます。たとえば、いつもより疲れやすい、持久力が落ちたように感じるなどです。この段階で気づいて対策をとることが重要です。

中等症の症状

次に中等症になると、トレーニングをすればするほどパフォーマンスがどんどん悪化していきます。深刻なのは、トレーニングをしていない安静時でも疲労感が残るようになることです。この状態では、骨格筋や毛細血管系の機能が低下し、回復に時間がかかるようになります。

重症の症状

そして、重症になるとさらに深刻です。全身のさまざまな器官に悪影響が及び、症状が多岐にわたります。具体的には、運動中に息が上がりやすくなったり、動悸がしたり、めまいがするようになります。疲労が抜けにくくなるのも特徴です。

さらに進行すると?

さらに進行すると、貧血や風邪を引きやすくなったり、免疫機能が低下することもあります。また、精神状態が不安定になり、不眠や抑うつ状態になることもあります。立ちくらみや自律神経系の失調、内分泌系の障害など、多彩な症状が現れるようになります。

【活性酸素とオーバートレーニング】

活性酸素とは?

活性酸素についてお話ししましょう。活性酸素はROS(Reactive Oxygen Speciesとも呼ばれています。活性酸素は、私たちの体内で自然に生成される分子で、適切な量であれば健康維持に役立ちます。しかし、過剰な活性酸素は体に有害で、細胞や組織を傷つける可能性があります。過剰なトレーニングを繰り返すことでも体内で活性酸素が増加しやすくなります。活性酸素は細胞を傷つけ、早く老化させてしまう物質でもあります。若々しさや美容目的も兼ねて走り始めた人にとっては本末転倒な話ですよね。

骨格筋-毛細血管系の機能低下

骨格筋は、私たちが体を動かすために使う筋肉です。これらの筋肉は、運動や日常生活の中で非常に重要な役割を果たしています。そして、毛細血管系はその骨格筋に酸素や栄養素を運ぶための微小な血管のネットワークです。過剰なトレーニングが続くと、体内で活性酸素の量が増加し、これが骨格筋や毛細血管系にダメージを与えます。具体的には、以下のような影響があります。

1. 筋肉の疲労感: 活性酸素が筋細胞を傷つけるため、筋肉の回復が遅れます。

2. 血流の低下: 毛細血管がダメージを受けると、血流が悪くなり、筋肉に十分な酸素や栄養素が届かなくなります

3.炎症の増加: 活性酸素は炎症を引き起こし、これがさらに筋肉や血管に悪影響を及ぼします。

熱中症が活性酸素を引き起こす⁉︎

今年はほんとに暑かったですね。しかも10月になっても夏日続き。そんな暑さも実は活性酸素増加と関係しています

じゃあ、具体的に熱ストレスが細胞にどんな影響を与えるのかを見てみましょう。

皮膚が高温環境にさらされると、細胞の中にある「ミトコンドリアという部分で活性酸素がたくさん生成されます。ミトコンドリアは細胞の中でエネルギーを作る工場のような役割をしているんですけど、この過程で少しだけ活性酸素ができるのは普通です。でも、熱ストレスがかかるとこの活性酸素が異常に増えてしまいます。ミトコンドリアについては別動画でもお伝えしていますので良かったらそちらもご覧ください↓

熱ストレスがミトコンドリアの活性酸素生成を増やす具体的な仕組みはこんな感じです

1. 電子伝達系の異常

高温になるとミトコンドリアの中でエネルギーを作る電子伝達系がうまく働かなくなります。この結果、余分な電子が漏れてしまい、それが酸素と結びついて活性酸素を作ります

2. 抗酸化防御機構の低下

普通、細胞はスーパーオキシドジスムターゼ(SODカタラーゼという酵素を使って活性酸素を無害にしています。でも、熱ストレスがかかるとこれらの酵素の働きが弱くなってしまい、活性酸素が増えてしまいます

3. カルシウムの流入

熱ストレスは細胞膜の性質を変えてしまい、細胞の中にカルシウムがたくさん入ってくるようになります。このカルシウムもミトコンドリアの働きを悪くし、さらにROSを増やしてしまいます

このようにして、熱ストレスによってミトコンドリアの活性酸素生成が増え、細胞がダメージを受けやすくなるんです。今年は暑かったから、例年以上にトレーニングスケジュールが進まない方も多いのではないでしょうか。暑さが活性酸素を生み出してオーバートレーニングにつながったケースもあり得ると思います。おそらく私もその一人です。

無酸素運動と活性酸素の関係

無酸素運動は、短い時間で強い力を使う運動のことです。例えば、短距離走や重いものを持ち上げる運動がこれに当たります。無酸素というと、酸素をあまり使わないように見えますが、それでも「活性酸素」が増えます

1. 運動後の酸素消費

   まず無酸素運動が終わった後、体は疲れた筋肉を回復させるためにたくさんの酸素を使いますこのときに活性酸素が作られることがあります

2. 筋肉のダメージ

   また、無酸素運動は筋肉に負担をかけるので、筋肉が少し傷つきます。この傷を治すときに炎症が起こり、それが活性酸素を増やす原因になります。

3. エネルギーの使い方の変化

   さらに、無酸素運動をすると、体の中のエネルギーを作る部分「ミトコンドリア」がもっと働きます。このときに活性酸素も一緒に作られることがあります。でも、逆に高強度の運動によるミトコンドリア活動増加が、ミトコンドリアそのものの呼吸能力を高めるので持久力養成にもつながると以前の動画でもお話ししましたね。無酸素運動はいわば「諸刃の刃」でもあるわけです。ミトコンドリア「呼吸能力」に関する動画をご覧になってない方、是非概要欄からご確認下さい!

それでも何故ランナーは休めないのか? ドーパミン・エンドルフィン

わかっていてもポイント練習を重ねたい!ジョギングで休養したいと思う気持ち。わかります。かく言う私もそうだからです。でも何故このような気持ちになるのでしょう

スポーツや運動をすると気持ちが良くなったり、達成感を感じることってありますよね?それは体の中で「ドーパミン」や「エンドルフィン」といったホルモンが分泌されているからです。これらのホルモンは「幸せホルモン」とも呼ばれていて、やる気を引き出したり、ストレスを軽減してくれます。しかし、注意が必要です!運動が楽しすぎてつい頑張りすぎてしまうと、「オーバートレーニング症候群」になることがあります。

運動中に分泌されるドーパミンやエンドルフィンは確かに気持ちが良いものですが、これに「中毒」になってしまうと、もっと運動をしたくなり、結果的にオーバートレーニングに繋がることがあります。

機能的オーバーリーチングを目指した練習方法

では、機能的オーバーリーチングを目指して、具体的にどうやって休養を取り入れたマラソン練習をすればいいのか、いくつかのポイントを紹介します。ここでは以前私の動画でも紹介した弘山勉監督の本「最高の走り」を基に考えてみます以前投稿した動画でも弘山監督に関して投稿していますので是非ご覧ください

以下はその本の中でサブ2.5、いわゆる2時間30分切りを目指すランナー向けに計画された3ヶ月間のスケジュールです。2回から3回ランニングを除いた計画を立てられていてこれからお話する「伸張性収縮による負荷」を考慮した良いトレーニングだと感じて取り上げさせてもらいました。

3ヶ月前(スタミナ養成と脚作り・10kmレース参加)

月;REST

火;筋トレ/BIKEトレーニング

水;20km起伏走+5000m

木;WALK or SWIM

金;筋トレ/JOG

土;400m〜1000mのインターバル

日;16〜25km起伏走(起伏がしっかりあるコース)

2ヶ月前(スピード持続と持久力UP・ハーフマラソンレース参加)

月;REST

火;筋トレ/BIKEトレーニング

水;1200〜2000m×4〜7 or

16kmペース走+400m

木;60分ビルドアップJOG

金;筋トレ/JOG

土;500m~1000m×4〜8

上り坂レペ走

日;20〜30km持久走(少し起伏があるコース)

1ヶ月前(LT速度でペース走を繰り返す・ハーフマラソンレース参加)

月;REST

火;筋トレ/BIKEトレーニング

水;16〜20kmペース走(LT90%〜95%)

木;WALK or SWIM or BIKE

金;16kmペース走(LT90%〜95%)

土;筋トレ/JOG

日;12〜16kmペース走(LT95%〜100%)

このような感じです。

意外かもしれませんが、毎日走るわけではありません。

上手にSWIMやBIKEを織り交ぜて走る以外のエクササイズを取り入れています。例えば、サブ2.5を目指すランナーのトレーニングパターンを見てみると、週4回のランニングだけで成果を出しているんです。この本ではサブ3.0やサブ3.54.0を目指すランナーにも当てはめているようです

私自身、中学生の時から陸上を始めて、常に「走りながら休め」と言われてきました。でも、この新しいトレーニング方法を知って、目から鱗が落ちる思いです。もちろん、2時間10分台で走る実業団ランナーや箱根駅伝の選手は毎日走ることでコンディションを維持していますが、サブ2.5を目指すレベルまでなら、弘山監督の提案するメニューでも十分だと思います。

ただ、強豪校のように土台を作るために毎日走る時期も大事です。ここまでの話と少し矛盾するかもしれませんが、走り込み自体は靭帯を強化し、シーズン中の怪我予防にもつながります。要するに、走り込みで得た能力をレースシーズンで最大限に発揮するためには、時期によっては休養を重視することが大切だということです。

走り込みの重要性については、以前投稿した動画でも詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。例えば、1500mや5000mで活躍するノルウェーのヤコブ・インゲブリクトセン選手も12歳の時に週180km走る時期があったそうです。その理由についても、動画内で解説していますので、興味がある方はチェックしてみてください。

しかし一方で、長野県の佐久長聖高校さんは「補強だけ」の日もあるようです。ランナーは私を筆頭に身体の使い方が不器用な選手が多い印象です。そのため佐久長聖高校さんのように補強を熱心に取り組んで、さまざまな刺激を体に入れることは大切なことだと思います。世界レベルの選手を輩出するチームでも走らない日があるのですから、私達も真剣に走らない日を検討したいですね。

伸張性収縮からの回復を「真剣」に考える

伸張性収縮(しんちょうせいしゅうしゅく)という言葉をご存知ですか?これは、筋肉が伸びながら力を発揮する動きを指します。

例えば、みなさんがダンベルを持って腕を曲げてから、ゆっくりと腕を伸ばしてダンベルを下ろすときのことを考えてみてください。腕の筋肉(特に上腕二頭筋)は、ダンベルの重さに逆らってゆっくりと引き延ばされます。このとき、筋肉はまだ力を出しているのですが、長さは伸びています。これが「伸張性収縮」です。

別の例として、階段を降りるときの脚の筋肉を考えてみましょう。降りるときには脚の筋肉が伸びながらも体を支えています。これも伸張性収縮の一例です。

簡単に言うと、伸張性収縮とは「筋肉が伸びながらも力を出している状態」のことです。スポーツや日常生活でとても重要な動きの一つです。

ランニングでも特に足が地面に着いた瞬間に、この伸張性収縮が起こります。この動きは私達が思っている以上に筋肉へ強い衝撃を与えるんです。たとえば、ランニングをすると太ももやふくらはぎの筋肉が伸びながら力を出すので、筋肉が傷つきやすいと言われています。だから、初心者ランナーさんは特にランニングの後、筋肉痛がひどくなるんですね。

このことを知っておくと、トレーニングの計画を立てるときに役立ちます。例えば、毎日伸張性収縮をしていると、筋肉が回復する時間が足りなくなり、オーバートレーニングにつながることがあります。指導者さんによっては速いペースでリズムを慣らす目的でLT強度近辺のjogを課す方も多いと思うます。強化期間は別として、その場合週のうち何日かは走らない日を作って伸張性収縮からの回復を測った方が良いと考えます。

ウォーキング水泳・水中歩行、サイクリングなどはランニングに比べて伸張性収縮による負荷が少ないです!LT強度に関しては以前私が投稿した動画を是非ご覧ください

また誤解のないように伸張性負荷がいけないといっているのではありません。以前私が投稿した動画でRFDについて説明したように最小限のエネルギーで大きなパワーを生み出すためにはこの伸張性収縮能力がむしろ必要なのです。ただこれはポイント練習やレースで発揮するために溜めておくべき力なのです。RFDに関する関連動画のリンクも貼っておきます

オーバートレーニングの対処法

休息の重要性

もし、ポイント練習のタイムなどが向上しないだけでなく、感覚も落ちていると感じたら、「走らない日を2」作ってみてください。そのうち最低1日は完全に休養しましょう。オーバーリーチングの段階であれば、体が軽くなってくるはずです。

 内科の受診

それでも走りの感覚が戻らない場合は、一度内科を受診して「血液検査」を受けてみることをおすすめします。内科で「いつもより疲れやすく、息切れもしやすいので、貧血を疑って血液検査を希望します」と伝えれば、大抵は検査してもらえますよ。早ければ当日、遅くても1週間以内には結果が出ると思います。

ヘモグロビンだけじゃない!血液検査重要な検査項目

血液検査では、ヘモグロビンや鉄・亜鉛含有量、クレアチンキナーゼなどがチェックされますが、尿酸値も大事です。特に無酸素運動のように強度の高い運動をしている方は、この数値が運動の調整に役立ちます。以下尿酸値についての長い話になるのですが、結論から言うと尿酸値が高いなら「スピード練習(OBLA以上の無酸素運動)を中止」してください!

実は私、先日スポーツ専門の内科を受診し尿酸値の高さを指摘されました。毎晩軽く350ml〜500mlのアルコール1缶くらい飲むと言いましたが「そのくらいじゃ上がんないよ」と言われました。前編でもお話しましたが、無酸素運動というのは、例えば短距離走や重い重りを持ち上げるような、短い時間で強い力を使う運動のことです。このタイプの運動をすると、体の中でエネルギーを作るときに酸素をあまり使いません。代表的な無酸素運動には、ウェイトリフティング、スプリント、最近流行りのハイインテンシティインターバルトレーニング(HIITなどがあります。

無酸素運動が尿酸値を増加させるメカニズムは次のように説明できます。ちょっと難しい話になるのですが、お付き合いください。

1. エネルギー供給とATPの分解

   無酸素運動中、エネルギー供給のためにアデノシン三リン酸(ATP)が急速に消費されます。ATPはエネルギーを供給するためにアデノシン二リン酸(ADP)やアデノシン一リン酸(AMP)に分解されます。特に高強度の運動では、ATPが急速に消費されるため、AMPのレベルが増加します。細かい変換過程は省きますが、このAMPが尿酸の生成に関わっています

2.乳酸の影響

   無酸素運動では、乳酸が大量に生成されます。乳酸は腎臓での尿酸の排泄を抑制する作用があります。そのため、血中の尿酸レベルがさらに高まります。

3.筋肉の損傷

   無酸素運動は筋肉に微小損傷を引き起こすことがあります。これにより、細胞内の核酸が分解され、プリン体が放出されます。プリン体は尿酸の前駆物質であり、これも尿酸値の上昇に寄与します。

簡単に言うと無酸素運動によりATPの急速な分解、乳酸の生成、筋肉の損傷などが連鎖的に影響を与え、最終的に尿酸値が上昇します。

無酸素運動をすると、エネルギーを作る過程で尿酸が多く作られます。

私も夏場短時間で効率良くと考えて、4回くらいのOBLA強度を超える練習を中心にやってしまったことで今逆に全く走れなくなりました。筋トレも同時並行で行っていたのでかなり無酸素よりの運動になりすぎていた気がします。オーバートレーニングの回復には数ヶ月かかることもあるようですが、しばらくウォーキングや水中歩行、距離走を中心に体調を戻していきたいと思っています。レースもありますが、タイムを狙うこと自体が精神的なストレスになり、それもオーバートレーニングに繋がるため、練習の一環で出たいと思ってます。あくまで楽しみたいですね。

ちなみに医療機関を受診する際は、鉄貯蔵量を示すフェリチン・亜鉛含有量、クレアチンキナーゼは事前に言わないと検査項目から除外されることもあるので、事前にお医者さんに確認し、検査項目に入れるようお願いしてください。ただ経験上フェリチンや亜鉛含有量の検査には1週間前後かかることが多いです。

専門機関の受診

もし2日休んでも改善しない場合や、貧血の結果が正常でも感覚が戻らない場合は、中程度、もしくは重度のオーバートレーニングである可能性が高いです。月単位、あるいは年単位での長期的な回復が必要な状況です。その場合は、専門的な医療機関の診断を受けることをお勧めします。程度にもよりますが、全く走るなと言う訳ではなく、OBLAを超えない範囲のトレーニングを継続するべきかと思います。

長時間の有酸素運動によって活性酸素が生成されるんじゃないの?と思われたかもしれません。身体には活性酸素の有害な影響を軽減するための抗酸化防御システムが備わっています。研究では、長時間の有酸素運動がこれらの抗酸化防御システムを一時的に活性化させることが示されています。

これらのポイントを考慮すると、長時間の有酸素運動は活性酸素の生成を増加させる一方で、適応の一環として抗酸化防御システムの強化を促進することがわかります。適度な運動とバランスの取れた栄養摂取が、酸化ストレスを管理し、健康を維持するために重要です。

また、私が関わっているランニング専門のパーソナルトレーニング施設「アフロランニング&ボディメイク」でも、皆さんのサポートを行っています。ここでは、身体の使い方やランニングフォームの評価を行い、負担をかけない正しい動きを一緒に考えます。実は、正しいフォームで走れていると思っていても、客観的に見ると改善の余地があることが多いんです。でも、これはパフォーマンスアップの大きなチャンスでもあります!

ご興味がある方は、ぜひ公式LINEで友達追加してみてくださいね。また、必要に応じて、専門機関の紹介も行っていますので、安心してご相談いただければと思います。

まとめ

ランニングが大好きで、ついつい頑張りすぎてしまうこと、ありますよね。でも、無理をせず、適度に頑張りながらしっかりと休養を取ることで、健康的に強くなることができるんです。私も休養の大切さについてはまだまだ勉強中の身です。みなさんと一緒に「休養を取り入れた練習方法」を一緒に考えていきたいです。良い方法があれば、ぜひコメント欄に教えてくださいね。

これからもランニングに役立つ情報をどんどんお届けしますので、ぜひチャンネル登録してお待ちください。また、私は静岡県富士市でランニング専門の治療とパーソナルトレーニングを行っています。病院や整体院の治療に加えて、自分の走りを根本から改善したい、もっと楽に走れるようになりたいという方、ぜひご来店ください!

それでは、また次回の記事でお会いしましょう。今日もご閲覧ありがとうございました!

参考:熱中症と活性酸素に関連するいくつかの研究を紹介します:

1. **「Hyperthermia-Induced Oxidative Stress in Human Dermal Fibroblasts and Its Inhibition by N-Acetylcysteine」**

   – この研究では、高温環境に晒されたヒト皮膚線維芽細胞において、ROSの生成が増加し、N-アセチルシステイン(NAC)によってその生成が抑制されることが示されています。このことは、熱中症がROSの生成を促進するメカニズムの一部を解明する手がかりとなります。

2. **「Heat Stroke and Oxidative Stress: Effect of Antioxidant Treatment」**

   – 動物モデルを用いた研究では、熱中症により血液および組織中のROSレベルが上昇することが確認されています。また、抗酸化剤の投与により、これらのROSレベルが低下し、熱中症の症状が緩和されることが示されています。

3. **「Effect of Heat Stress on Mitochondrial Function and Oxidative Stress in Skeletal Muscle」**

   – この研究では、熱ストレスが骨格筋のミトコンドリア機能に与える影響を調査しています。結果として、熱ストレスがミトコンドリアのROS生成を増加させ、酸化ストレスを引き起こすことが示されています。

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