みなさんは普段ランニングウォッチに何を使用しているでしょうか?最近のランナーさんの多くはガーミンを使用しているのでは無いでしょうか?そのガーミンの1つの機能に、デフォルトで内蔵されている心拍ゾーンがあります。

一方、今やマラソン練習の教科書とも考えていいジャック・ダニエルズの「ランニングフォーミュラ」
この本で紹介されるEペース・Mペース・Tペース・Iペース・Rペースといった練習速度。この速度帯はガーミンの心拍ゾーンのどこに相当するのでしょうか?
こんにちは、理学療法士ランナーの大森です!今日は、ジャック・ダニエルズの「ランニングフォーミュラ」の練習内容と、みやすのんき氏が提唱するZONE別練習ペースの速度域について、ガーミンの心拍数ゾーンと照らし合わせて詳しくお話しします。これを知ることで、現在の自分の走力に合わせた負荷設定を行い、心拍数の適応に応じて負荷を上げる基準を設定できます。トレーニングの効率を最大限に引き出すために、さっそく見ていきましょう!
ジャック・ダニエルズ氏とみやすのんき氏のカテゴライズ
ジャック・ダニエルズの「ランニングフォーミュラ」では、Eペース(イージーペース)やMペース(マラソンペース)など、さまざまなペース設定が推奨されています。一方、みやすのんきさんは、日本の漫画家で、多くのマラソンに関する本を執筆し、最新のトレンドと科学的な根拠に基づく実践的なアドバイスを提供しています。
以前の私の記事でも説明していますので、詳しくはそちらもご覧ください。

そのみやすさんが本の中で、独自の速度域をZONE1からZONE8までカテゴライズして説明しています。
ガーミンの心拍数ゾーン
次に、多くの人がランニングウォッチとして使用しているガーミンと、そのデフォルトで内蔵されている心拍数ゾーンについてお話しします。
ガーミンの心拍数ゾーンは最大心拍数(MHR)のパーセンテージに基づいて設定されており、以下のように分類されます
ゾーン(最大心拍数に対する割合) | 主観的強度 |
ゾーン1(50-60% MHR) | 非常に軽い運動 |
ゾーン2(60-70% MHR) | 軽い運動 |
ゾーン3(70-80% MHR) | 中程度の運動 |
ゾーン4(80-90% MHR) | 激しい運動 |
ゾーン5(90-100% MHR) | 非常に激しい運動 |
ジャック・ダニエルズの練習カテゴリー
Eペース(Easyペース)
ではジャック・ダニエルズの練習カテゴリーについて詳しく見ていきます。まずはEペース、イージーペースとも呼ばれます。これは、リラックスして長時間走ることができるペースです。ガーミンの心拍ゾーンで言うと、ゾーン2から3に該当します。具体的には、最大心拍数の60%から79%の範囲です。このペースは、基礎的な持久力を養うために非常に重要です。(以下私見を交えた詳細記事です↓)

Mペース(Marathonペース)
“次にMペース、マラソンペースです。これは、マラソンレースを走るペースとほぼ同じです。ガーミンの心拍ゾーンでは、ゾーン3〜4に該当します。最大心拍数の80%から89%の範囲です。Mペースのトレーニングは、レース当日のペース感覚を養うのに役立ちます。フルマラソンのレースに近い得意的準備期にだけ実施したのでも良いと思います。ダニエルズさんの取り組み方として、Eペース上限あたりで15分から60分走ってからMペースで50分走るといった方法も薦めています。
Tペース(Thresholdペース)
今度はTペース、または閾値ペースです。これは、体が乳酸を処理できる最大限のペースです。ガーミンの心拍ゾーンでは、ゾーン4に相当します。最大心拍数の80%から90%の範囲です。このペースでのトレーニングは、乳酸の耐性を高め、スピード持久力を向上させます。(以下私見を交えた詳細記事です↓)

Iペース(Intervalペース)
次にIペース、インターバルトレーニングのペースです。このペースは非常に速く、疾走と緩走を交えて行います。ガーミンの心拍ゾーンでは、ゾーン5に該当します。最大心拍数の90%から100%の範囲です。Iペースのトレーニングは、スピードとVO2maxを向上させるのに効果的です。(以下私見を交えた詳細記事です↓)

Rペース(Repetitionペース)**
最後にRペース、レペティションペースです。これはスプリントのような非常に短い距離を全力で走るペースです。ガーミンの心拍ゾーンでは、ゾーン5の上限に該当します。ただレペティショントレーニングは、時間的に心拍数として反映されない場合があります。そのため主観的に全力に近い強度で実施できていたら十分で、ご自身のVDOTに応じ、「ペース」と「練習環境」で強度を決めた方が良いと感じます。(以下私見を交えた詳細記事です↓)

みやすのんき氏のZONE別練習ペースの速度域について
次にみやすのんき氏が提唱するZONE別練習ペースの速度域です。そしてそのみやす氏の速度域は、以下のように分類されています。
みやすのんき氏のZONE区分 | ジャック・ダニエルズのカテゴリー相当練習 |
ZONE1 | Eペース以下の速度域 |
ZONE2 | Eペースの下限速度域 |
ZONE3 | Eペース上限でLT1刺激の速度域 |
ZONE4 | LTより速くレースペース下の速度域 |
ZONE5 | マラソン速度域 |
ZONE6 | OBLA領域の閾値走を行う速度域 |
ZONE7 | VO2MAXインターバルを行う速度域 |
ZONE8 | レペテーションを行う速度域 |
注意していただきたいのがガーミンのゾーンとみやすのんき氏のZONEが必ずしも同じでは無いということです。そしてまず特徴的なのがZONE1**: Eペース以下の速度域についてです。ジャックダニエルズ氏のトレーニングペースには無い遅い速度域です。このペースはいわゆるLSDの速度域と考えられ、長時間実施することで毛細血管が養われるという意見もありますが、遅い動きが身についてしまうジャンクマイルズでしか無いと言った否定的な意見もあります。私の意見としてはクーリングダウンとして。また脂質利用優位な身体に作り替えると言った意味でフルマラソン以上の距離には有効かと考えます。そしてもう一つ特徴的なのがEペースをZONE2とZONE3に分けていることです。ジャックダニエルズ氏のVDOTカリキュラーと言ったアプリをご利用になっている方ならご存知かと思いますが、Eペースには上限から下限まで1キロあたり約20秒くらいの幅があります。アーサーリディアードといった指導者はランニングバイブルといった本の中で最高安定状態ギリギリの速度でできるだけ長く走ることで心臓の容量ないしは毛細血管を発達させると述べています。
そのため疲労物質を抜く練習と位置付ける場合はZONE2で、アーサーリディアードの最高安定状態の効果を最大限狙う場合はZONE3からZONE4、心拍数的には80%くらいまで上げて良いと考えます。私もロングラン等で最高安定状態の効果を最大限得るのために80%くらいの強度帯になっています。カーディアックドリフトの影響で、場合によっては90%近く上がっていることもあります。心拍数だけ見るとMペースの強度帯です。
ここまでの内容をまとめると、ZONE1はみやすさん独自の速度域でジャックダニエルズ氏の速度域には無い。また、ZONE2~4はジャックダニエルズ氏のEからMペースまでに相当し心拍数的にきっちり当てはまる定義では無いと言ったことになります。OBLA・VDOTカリキュラー・最高安定状態・カーディアックドリフトといった用語に関しても以前の動画で説明していますので、そちらをご覧ください。
OBLA↓※動画内では間違えてOLBAと述べています。すみません。
VDOTカリキュラー↓
最高安定状態↓
カーディアックドリフト↓
ガーミン心拍数との対応表
では、これらを対応させた表を作ってみました。みやすのんき氏の速度域がより細分化されているため、それを軸として、ジャックダニエルズ氏の速度域と、ガーミン心拍数のどのゾーンに当てはまるかと言った考え方で作成しています。
みやすのんき×ジャック・ダニエルズ | ガーミン心拍数ゾーン |
ZONE1: Eペース以下の速度域 | ゾーン1(50-60% MHR) |
ZONE2: Eペースの下限速度域 | ゾーン2(60-69% MHR) |
ZONE3: Eペースの上限速度域LT1刺激 | ゾーン3(70-79% MHR) |
ZONE4: LT1刺激〜場合によりMペース | ゾーン3〜4(79-89% MHR) |
ZONE5: Mペース マラソン速度域 | ゾーン4(80-89% MHR) |
ZONE6: Tペース(閾値ペース) OBLA領域 | ゾーン4〜5(88-92% MHR) |
ZONE7: Iペース・VO2MAXインターバル | ゾーン5(90-100% MHR) |
ZONE8: レペティション | ゾーン5(90-100% MHR) |
よく一流選手が「jogが大切」と言っていますよね。それはアーサーリディアード氏が提唱する最高安定状態で長期間トレーニングすると言った意味だと思います。一流選手に言わせたら、この表で言うZONE4あたりまでがjogと言っても過言ではないです。実際にいろんな強い選手・監督との関わりの中でこの速度域の練習を重視しているように思います。また、特に中学生のうちはスピードを養うために量は追わないといった考えもあります。私も、毎年全国大会に選手を輩出するクラブチームと関わりがありますが、毎日閾値以上のいわゆるスピード練習をするわけではなく、イメージとしては比較的速いジョグ・ZONE4強度で6〜8kmと言ったことが練習の大半。閾値を超えた練習は週2〜3回入れる程度です。本当の意味で追い込む練習はシーズン中の月に1〜2回程度。もしくはレースしかありません。ただ、私の場合回復が追いつかない気がしていて、ポイント練習の中日はZONE2くらいの速度帯に抑えてます。
まとめ・イベント情報
このように、ジャック・ダニエルズの練習内容とみやすのんき氏の速度域 ZONEはガーミンの心拍数ゾーンとある程度対応できます。冒頭で話したように、これらを知っておくことで現在の自分の走力に合わせた負荷設定を行い、心拍数の適応に応じて負荷を上げる基準を設定できます。皆さんがトレーニング計画を立てる際の参考程度にしていただけたら幸いです。
今回は以上となります。今後もランニングに役立つ情報をお届けします。また私大森は静岡県富士市でランニング専門の治療兼パーソナルトレーニングをやっています。病院や整体院の治療だけでなく自分の走りを根本的に改善したいといった方、またもっと楽に走れるようになりたい方、ぜひご来店ください。
最後に皆さんにもぜひ参加して欲しい練習会イベントのお知らせです。
2025年2月24日(祝日)、裾野市総合運動公園陸上競技場で「キャンプ・アフロ『ペース走』」というランニングイベントを開催します。このイベントは「アフロ ランニング & ボディメイク」が主催し、理学療法士でありランナーでもある私、大森が皆さんと一緒に走る合同練習会です。
イベントでは、私が理学療法士としての知識を活かしたドリルやコアエクササイズを取り入れ、中・長距離やマラソンの練習を行います。ただ単に走るだけでなく、ランナーとしてのスキルもアップできるチャンスです!さらに、他のランナーたちと交流し、仲間との絆を深めることもできますよ。
興味がある方は、ぜひ以下のブログをチェックしてみてください↓一緒に楽しく走りましょう!

それでは、次回の記事でお会いしましょう。皆さんも是非今回お伝えした心拍数に対応する練習の考え方を取り入れて、より良いランニングライフを送りましょう!ご閲覧ありがとうございました。