陸上中長距離ランナーが練習日誌を書くことの重要性

陸上の長距離やマラソンでは、毎日の積み重ねがそのまま結果につながります。中でも「練習日誌を書くこと」は、自分を成長させるための大切な習慣です。

練習日誌は、ただ記録を残すだけでなく、自分の体の状態や気持ちを見つめ直すためのものです。たとえば「今日は足が少し痛かった」「集中できなかった」「うまく走れた」などを記していくと、自分の変化が分かります。こうした振り返りが、次の練習をより良くする手助けになります。

中には、日誌を書くことが面倒に感じる人もいるかもしれません。でも、時間をかけて自分の練習を整理することは、効率だけでは得られない“気づき”を与えてくれます。書くことで、自分の努力の跡や改善点が見えるようになり、「やらされる練習」から「自分で考える練習」へ変わっていきます。

私が多くの選手を見てきた中で感じるのは、日誌を書いている人ほど、自分の弱点や成長の方向を理解して前向きに取り組んでいるということです。つまり、練習日誌を書くという行動そのものが、強くなるために“手間を惜しまない姿勢”を表しているのです。

1. なぜ練習日誌が必要なのか

練習日誌をつけることで、自分がどんな練習をして、どんな気持ちや体の状態だったのかを記録できます。走った距離やタイムだけでなく、「今日は疲れていた」「集中できた」「足が痛かった」などのメモを残すことで、自分の成長の道筋を見える形にできます。

2. エリウド・キプチョゲの例

世界で初めてマラソンを2時間切りで走ったエリウド・キプチョゲ選手は、日々の練習をとても丁寧に記録していました。彼は「成功は毎日の積み重ねから生まれる」と話しています。練習日誌を見返すことで、自分がどのように成長してきたかを確認し、次の課題を明確にしたのです。これは、ただ走るだけでなく“考える練習”をしていたことを意味します。

3. 青山学院大学・原晋監督のPDCA

青山学院大学駅伝チームの原晋監督も、選手に「PDCAサイクル」を意識させています。  

P(Plan):計画を立てる  

D(Do):実行する  

C(Check):結果を振り返る  

A(Action):改善する  

このサイクルを繰り返すことで、選手は自分で考えて成長する力を身につけます。練習日誌はこのPDCAの「Check」と「Action」を支える道具です。書くことで、自分の練習を客観的に見つめ、次の練習につなげることができます。

4. 小中学生ランナーへのアドバイス

小中学生の皆さんも、練習日誌を「自分の先生」と思って書いてみましょう。うまくいった日も失敗した日も、全部が次の一歩の手がかりになります。少しずつ気づきを書くことで、自分だけの成長記録ができます。以下はアフロマイルズの練習日誌台紙になります。ご参考に!

🏃‍♀️ 今日の練習メニュー  

(どんな練習をしたか書こう)  

例:ジョギング・ダッシュ練習・アフロ練・リレーなど  

📋 練習場所:_______________  

📅 日付:__月__日(__曜日)  

🕒 練習時間:__時〜__時  

※アフロ練参加時は「全体カレンダー」からコピペがお勧め

☀️ 今日の天気&コンディション  

⛅ 天気(どれかに○):晴れ/くもり/雨/小雨  

🌡 気温:__℃ 💧 湿度:__% 💨 風:__m/s  

参考→ 

https://tenki.jp/lite/forecast/5/25/5030/22206/1hour.html

※ ガーミンやカロスのデータ優先

👣 今日の調子(あてはまるものに○)  

1️⃣ 足の感じ:軽い・ふつう・重かった  

2️⃣ 痛みや違和感:なし・少しあったけど動けた・だんだん痛くなった  

3️⃣ 体の元気:すごく元気・ふつう・つかれてた  

🗣 今日の気持ちは?(自由に書こう)  

_____________________________  

🎯 今日の練習の目的  

(なんのための練習だった?)  

例:そのままコピペOK

 •中程度の持久走で心臓の大きさや毛細血管の量を(とても細い血の道)を増やす**ことで、体に酸素をたくさん運べるようにして、長く走ってもへこたれない体にする。  

•閾値セッションで乳酸消化吸収能力(いわゆる“閾値”)をアップして、疲れにくい体をつくる。  

•レペティショントレーニングでミトコンドリア(体の中のエネルギー工場)の数とスピードをアップして、パワーを出せるようにする。  

•インターバルトレーニングで最大酸素摂取量(体が吸いこめる酸素の最大量)をアップ**して、もっと効率よく走れるようにする。

•低強度走でミルキングアクション(ゆっくり動いて体の中の酸素をめぐらせる動き)をしながら、体の疲れをぬきつつ、続けることで毛細血管(細い血の道)を育てる

•積極的休養で休みながらも少し体を動かして、ふだん弱いと感じる部位を強化する

•完全休養で体も心も休ませ、元気をためて、次の練習に力を出せるようにする

今日の目的:__________________________  

がんばり度(☆の数でチェック)  

⭐️〜⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️(5が最高!)  

💡 今日意識したこと  

・走るときに気をつけたポイント:______________  

・それで気づいたことや感じたこと:______________  

⚡ 今日のふりかえり  

生活面(ねる時間・ごはんなど)でよかったこと:______________  

「ここをもっとがんばろう!」と思ったこと:______________  

💬 自由コーナー  

※さらにレベル⤴️したい人は書こう❗️

・おもしろかったこと/びっくりしたこと/うれしかったこと  

___________________________  

・レースや目標

🏁直近レースの目標とVDOT(ブイ・ドット)記録

🎯 **直近のレースの目標**は  

__________(レース名・距離・目標タイムなど)です。  

この目標を達成するための VDOT(走る力を数字であらわしたもの)は  

__________(VDOT値)です。

📈 今の半年間のVDOTの変化(記録のメモ)

– (記録会)__m__s / 日付:202_年_月_日  

– (記録会)__m__s / 日付:202_年_月_日  

→ このデータを見ると、VDOTがどんなふうに変わってきたかがわかります!

💡VDOTってなに?

VDOT(ブイ・ドット)は、アメリカの先生が作った「走る力のものさし」です。  

・足の速さ(タイム)  

・スタミナ(長く走る力)  

・酸素の使い方(最大酸素摂取量) などを合わせて数字で表します。  

数字が上がるほど「走る力」が高くなっていて、  

レースの目標を立てるときに使う便利な指標です。

アプリで計算したい人は、こちらも参考にできます:  

https://afro-running.jp/691/

❓聞きたいこと・質問など  

(わからなかったことをコーチや先生、保護者に聞こう)  

___________________________  

👪 保護者コメント  

(見守っている人から、感じたことや応援メッセージ)  

___________________________  

まとめ

練習日誌を書くことは、努力を「見える化」すること。  

エリウド・キプチョゲのように記録から学び、原監督が教えるPDCAのように振り返って改善することで、速くなるだけでなく、考える力も伸ばすことができます。  

「書くこと」は「考えること」につながります。練習日誌を続けることで、自分自身と向き合い、失敗や成功の理由を学び取る力が身につきます。日々の努力を大切にする人こそ、本番で本当の力を発揮できるようになるのです。

毎日の小さな記録が、未来の大きな成果につながります。

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