サブスリーに向けた『ケニア式』マラソン練習法と年間スケジュール・日本風にアレンジ!

目次

はじめに

フルマラソンサブスリー。いわゆる3時間以内でマラソン完走を目指すランナーについては2023年の統計によるとマラソン全参加者のうち3.6%しか達成できない記録です。エリートランナーの称号でもあるこの記録をいつしか達成したいと、真剣に取り組む方も多いのではないでしょうか?ただ日本のように四季のある環境では、この高い次元の記録を達成する「年間を通じたスケジュールの立案」が、難しいと感じませんか?またジャック・ダニエルズの「ランニングフォーミュラ」やアーサー・リディアードの「ランニングバイブル」で提案されているトレーニング計画は、高地で年間を通して気候が一定なケニアやオレゴン州を前提としている印象。日本は暑さや寒さ、湿気と1年を通して気候の変動が激しい国。だからこそトレーニング計画も日本の四季に合わせる必要があります。

こんにちは、理学療法士ランナーの大森です!今日は「サブスリーに向けた『ケニア式』マラソン練習法と年間スケジュール」についてお話しします。

2024年10月23日に初版が発行された「超実践!みやすのんきのサブスリー教室 脅威の『ケニア式』マラソン練習法」という本。世界的に有名な指導者の練習スケジュールを日本風にアレンジしている部分があったため今回一部を参考に私の所見を交えて動画を作らせてもらいました。

その本の著者、みやすのんきさんは、1980年代から1990年代にかけて「週刊少年ジャンプ」や「週刊ヤングジャンプ」で活躍した日本の漫画家です。2007年の第1回東京マラソンから走り始め、当時は不摂生な生活を送っていて体重が85kgまで増加していました。しかし、30kgのダイエットに成功し、50歳以上のランナーの中でもわずか1%未満しか達成できないサブスリーを成し遂げました!

みやすのんきさんは、その後、多くのマラソンに関する本を執筆し、最新のトレンドと科学的な根拠に基づく実践的なアドバイスを提供しています。前置きが長くなりましたが、早速みていきましょう!

サブスリー実践スケジュールの組み立て方

レナト・カノーヴァ氏について

レナト・カノーヴァさんをご存知ですか?彼は多くのケニアやエチオピアなどアフリカ諸国のエリートランナーを指導されてきた有名なマラソン指導者です。 1944年12月21日、イタリアのトリノ出身で1971年から陸上競技を指導しています。自身は十種競技の選手だったそうです。

カノーバさんは1971年にイタリア陸上競技連盟(FIDAL)に所属し、400mおよび4×400mリレーのナショナルコーチ、1986年にはイタリアのマラソン監督に就任しました。2002年までFIDALで活動し、その後は国際的にトレーニング理論が評価され、講演会なども頻繁に行うようになりました。

2004年から2010年までカタールの中距離および長距離のヘッドコーチを務め、2013年9月からは中国のマラソンナショナルヘッドコーチとなりました。2015年に中国での役職を辞任し、その後からケニアで指導を行っています。カノーバさんが指導した教え子たちはオリンピックや他の大きな国際大会で多くのメダルを獲得しています。そのためカノーバさんのトレーニング理論は世界中で注目されていて、今回ご紹介する内容も彼の理論を日本式にアレンジしたものです

レナト・カノーヴァ式期分け法を日本式にブレンド

カノーヴァさんの練習における特徴は十種競技出身といった観点からも総合的なアプローチをされます。「シーズン初めはゆっくりと長く距離を走る+短く高強度のスピード練習を行う」から「本番に近づくにつれ徐々に目標とするレース速度とレース距離に特化した練習を行う」という流れになります。みやすさんも本の中でカノーヴァさんの期分け法に大きく影響を受けていると言っています。その期分けは大まかに、以下のような3つの期間に分けられます。

・一般的準備期 6−8週間
・基礎的準備期 8−10週間
・特異的準備期 6―8週間

一般的準備期

この期間はゆっくり長くの持久走を中心に筋力や瞬発力を鍛えることを目的としています。基礎的な持久走とともに神経系の回路を賦活化させるスプリントやジャンプ系のトレーニング、ジムワークなどを組み合わせ、総合的な体を作ります。

基礎的準備期

この期間では、有酸素パワーの強化を中心に取り組みます。同時に無酸素性閾値の向上や脚筋力の基礎強化も行います。この期間では、時間の速さよりも体内の負荷・強度に重点を置きます。

例えば、レースの2ヶ月前以降はタイムに関するトレーニングが重要となりますが、その前の基礎的準備期ではタイムよりも練習を最後までやり切ることが大切です。この期間中は走行距離を増やし、有酸素能力を高めることが目的です。ただし、単にゆっくり長く走るだけではなく、マラソンペースの80%程度のペースを維持することが推奨されます。

特異的準備期

一般的準備期と基礎的準備期が終わるまでに約四ヶ月かかります。その後、特異的準備期が約二ヶ月続きます。カノーヴァさんによると、マラソンで最良の結果を得るためには、準備期間として合計約半年が必要です。このため、マラソンは年に二回以上走るのは難しいとされています。

特異的準備期では、より実戦的な練習が行われます。コーチカノーヴァは、レースの半分以上の距離をレースペースの95%以上で走るトレーニングが、特異的なトレーニングに該当するとしています。

カノーヴァ式期分けのメリットはトレーニング全期間にわたって質と量の両立を常に維持する、高い速筋の動員率を維持するということです。

本命レースを絞る

市民ランナーは1年中大会に積極的に参加して、常に走力を高いレベルに保ちたいというランナーも多いかと思います。日本のマラソンレース含め、学生や実業団選手の駅伝・トラックレースなどもほぼ1年中あるように思われます。

しかし人間の身体は1年を通して絶好調を保つことは難しく、学生駅伝、実業団選手でもそんなに大会をつぎ込んでいる選手は見当たりません。彼らは監督やコーチと相談して1年の大会スケジュールを調整し、メリハリを持って体作りと練習をしています。「数打ちゃ当たる」的な発想でフルマラソンの自己ベストを更新し続けるのは難しいかもしれませんね。前述の期分けの概念からすると本命レースは年2回を念頭に年間スケジュールを組むべきかと考えます。

一方で、「調整レース」という名目で市民ランナーは時間とお金と疲労回復が許すなら5km10km、ハーフマラソンなど勝負レースのテーパリングに合わせて、大会を使うのもありです。また普段とは環境の違う有料練習会等に参加するのも良いと思います。そこでランナー仲間さんも増やせるかもしれません。私も定期イベントを開催するので是非ご参加ください!

ジャンクマイルズをしない

ジャンクマイルズ」という言葉をご存知ですか?これはランニングや自転車などの持久系スポーツにおいて使用される用語で、トレーニングの質が低く、効果的でない距離や時間のことを指します。具体的には、特に目標や計画なしにただ距離をこなすだけの練習を指します。これによって、疲労が蓄積する一方で、パフォーマンス向上には寄与しないことが多いです。怪我など長期離脱後の初めの練習や、ポイント練習後のクーリングダウンならまだしも、1km7〜8分かかるゆっくりジョグをどんなにやったとしてもそれはジャンクマイルズにしかなりません。ランナーの間で広く浸透した野口みずきさんの「走った距離は裏切らない」といった言葉。正しくは「ある程度速く走った距離は裏切らない」です。

日本を考慮したサブスリー年間練習スケジュール

次に、具体的にカノーヴァさんの年間練習スケジュールに対してサブスリー達成に向けた日本の四季を考慮したスケジュールをご紹介します。本命レースを記録の出しやすい12月と3月の2回に絞って計画されています。ポイントは夏場を過ごすにも猛暑の時期に負荷をかけて長い距離を走り込むより、短い距離でスピードを高めてからマラソンシーズンに入った方が基礎力も高められます。最初から距離走中心にすると本番レースまでに練習がだれてしまい、スタミナはついたがスピードがついてこないままシーズンインしてしまう結果となります。以下ZONEを基に練習タイムを設定しています。ZONEに関する私の過去動画もリンク貼っておきます!

4月※以下ロング走はLRと省略

月曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

火曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

水曜日;坂道ウィンドスプリント(80〜120m)×10本

木曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

金曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

土曜日;坂道ウィンドスプリント(80〜120m)×10本+有酸素ジョグ5km(ZONE1  5:30~6:00/km)

日曜日;LR(21kmor120分)(ZONE1  5:30~6:00/km)途中で1kmTT

まず4月の週間スケジュールはこんな感じです。1年の中でも体内のバイオリズムのバランスを整える意味で少し強度や練習量を落とします。みやすさんによると交感神経優位であった自律神経を整えて副交感神経優位の状態を目指そうといった話です。「心臓持久力トレーニングへのアプローチ」という研究の中でトレーニングスケジュールが適切でないとパフォーマンスにマイナスの結果が生じるといったことが述べられているようです。その中で長距離ランナーの練習のしすぎによるパフォーマンスの低下は、心臓の自律神経調節の交感神経と副交感神経の不均衡、血圧や筋肉活動に悪影響をもたらすとされます。この動画を作成している2024年11月時点で私の年齢は42歳なのですが、40代の正常血圧は上(収縮期血圧)が125mmHg、下(拡張期血圧)が80mmHg程度とされる中、私の血圧は上が130以上と下が100以上が続いています。夏以降走っていてもイマイチ調子が上がらないのですが、この辺りの自律神経との関わりが関係しているように思われます。対策としては練習の8割を上記のZONE1程度の心拍数でトレーニングすることがポイントとなるようです。ただ全然批判するつもりはなく個人的な意見として言わせていただくと、この月は副交感神経優位を謳っているので1kmT.T.を入れるのはちょっと厳しすぎな気もします。私はこの時期に1500mの試合を入れ、年間ピークをここに持ってきているから良いですが、一般の方はウィンドスプリントならまだしも休養期間に時計を気にする練習を入れなくていいと感じます。ただみやすさんが800mや1500mなどの中距離レースに参加されない方を前提としていると考えると1kmT.T.も確かにアリかも知れませんね。自律神経等の不調に関する動画も私の過去動画で取り上げていますのでチェックしてみてくださいね。

5月

月曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

火曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

水曜日;400m×10本(ZONE8 3:25~3:40/km その場レストかリカバリージョグ200m)

木曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

金曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

土曜日;200m×15本(ZONE8 3:25~3:40/km その場レストかリカバリージョグ200m)

日曜日;LR(21kmor120分)(ZONE1  5:30~6:00/km)途中で1kmTT

次に5月の週間スケジュールはこんな感じです。 この月はいわゆる「一般的準備期」を考慮して5kmなどの比較的短い距離で記録を狙っていく時期です。サブスリーに向けて、できたら5km19分切りを目指してほしいところです。 ZONE8の練習も混ぜるようですがこの強度だといわゆるレペティションに近い強度になります。休憩時間に関し個人的な意見を言わせてもらうと200mのレペティションなら1分、400mなら90秒か上限ペースなら3分くらい取っても構わない気がしています。ちなみにここでもロング走+T.T.を入れていますが、本格的に5kmで記録を意識するならこの時期からこのくらいの頻度で高い強度を入れても良いかと思います。ジョグもこの時期は心肺機能の強化というよりは強度の高い練習からの回復を意識する考えで、私もZONE1でも良い気がします。さらに付け加えると本気で5kmのタイムを狙うのであれば、レース週以外のジョグはZONE3、遅くともZONE2として心肺機能やランニングエコノミーを高く維持した方が良いようにも思います。またその場合距離も810km程度に抑え5080m程度のダッシュを37本程度入れても身体のキレが増す気がします。ここは最初の3本は全力疾走の7割程度、最終的には97%くらいの全力疾走を意識すると良いです。全力でいいのですが残りの3%というのは動きを意識する感覚です。

6月

月曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

火曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

水曜日;800m×6本or 600m×8本(ZONE8 3:25~3:40/km その場レストかリカバリージョグ200m)

木曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

金曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

土曜日;レースペース走(ZONE8 3:25~3:40/km その場レストかリカバリージョグ200m)

日曜日;LR(21kmor120分)(ZONE1  5:30~6:00/km)途中で1kmTT

6月の週間スケジュールはこんな感じです。 6月は5月に比べて少しインターバル練習の距離を伸ばしていきます。またOBLA改善を狙ったレースペース走も入れていきます。ただ私の経験上、ZONE8レベルの上限ペースだと、レストはもう少し長めにとってもいい印象。また6月はすでに暑くなってきているので記録を狙いづらいかもしれません。できるだけ月の前半で5km19分切りは達成しておきたいところです。ここでもロング走+T.T.を入れていますが、ウィンドスプリントか50〜80m程度のダッシュでいいと感じます。ただ5km程度のレースを入れないのであれば刺激を入れるためにアリかもしれません。私であったらここは1500mのレースを入れると思います。

7月

月曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

火曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

水曜日;OBLAペース走6〜8km(ZONE6 3:55~4:05/km その場レストかリカバリージョグ200m)

木曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

金曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

土曜日;インターバル1000m×5〜7本(ZONE7 3:40~3:55/km)

日曜日;LR(21kmor120分)(ZONE1  5:30~6:00/km)

7月の週間スケジュールはこんな感じです。最大酸素摂取量を高めるトレーニングもこの時期から取り入れています。みやすさんは月末に5000mのタイムトライアルを組むことを薦めています。最近ではメタタイムトライアルやMKディスタンスといった市民ランナーさんでも参加しやすい夏場のレースが増えてきています。ただ経験上よっぽど暑さを得意としている方でないと5000mといえど記録は出しずらいと思われます。私だったら1500mにするかもしれません。しかし個人的に記録を狙う意味ではみやすさんのこのメニューはバランスが取れていて良いと思います。特に最大酸素摂取量改善に向けたインターバルの設定タイムが良いと思います。インターバルや最大酸素摂取量に関しても私の過去動画をリンク貼っておきます!

8月

月曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

火曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

水曜日;2000m×3本(ZONE6 3:55~4:05/km)

木曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

金曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

土曜日;OBLAクルーズインターバル3000m×2本(ZONE7 3:55~4:05/km)

日曜日;LR(21kmor120分)木陰の多い起伏走がGOOD(ZONE1  5:30~6:00/km)

8月の週間スケジュールはこんな感じです。最近の夏は35度を超えることは当たり前のような状況になっています。そんな中でのトレーニングなのでできるだけ涼しい環境でやりたいですよね。この時期に無理してしまうと暑さで活性酸素が生成され オーバートレーニングに陥ってしまいます。何を隠そう自分自身がそうだったからです。まだこの時期はZONE1くらいの強度で良いですが、それでもペースにこだわらず心拍数で管理して良いと思います。できるだけ日陰を選ぶ。または室内の冷房が効いた環境でトレッドミルを使うこともやむを得ないと思います。クルーズインターバルもトレッドミルで良いかも知れませんね。ただトレッドミルは屋外と感覚が異なるため「得意的準備期」には、よっぽどの悪天候以外使用しない方が良いかも知れません。暑さと活性酸素・オーバートレーニングとの関連に関しても私の過去動画で説明してます。リンク貼っておきます!

9月

月曜日;ジョグ10〜14km(ZONE2  5:05~5:30/km)

火曜日;ジョグ10〜14km(ZONE2  5:05~5:30/km)

水曜日;OBLAペース走6〜8km(ZONE6 3:55~4:05/km)

木曜日;ジョグ10〜14km(ZONE2  5:05~5:30/km)

金曜日;ジョグ10〜14km(ZONE2  5:05~5:30/km)

土曜日;ジョグ8〜10km(ZONE2  5:05~5:30/km)+ウィンドスプリント(50m×4〜6本)

日曜日;LR 21km (ZONE3 4:40~5:05/km)+1km×3本インターバル(ZONE6 3:55~4:05/km)

9月の週間スケジュールはこんな感じです。 明確に区分けされている訳ではないですが、おそらくここからがかノーヴァさんのいうところの「基礎的準備期」に相当するものと思われます。そのため9月もまだ暑いと思いますが、若干日々のジョグペースを上げていきます。みやすさんのメニューによるとこのようにOBLAで6km走る練習を入れています。またロング走もZONE3までペースを上げているので負荷は高いと思います。個人的にはまだOBLAはクルーズインターバルで分割していい気もします。ロング走の後に追加で閾値走を入れています。マラソンが視野であるのでこのように疲れた中であえて閾値ペースで脚を動かすことにも意味があります。個人的に付け加えるとしたらミトコンドリアの呼吸能力向上を意識して200×5ないしは300×3などのレペティションを隔週で混ぜることも良い気がします。ミトコンドリア呼吸能力に関してもレペティショントレーニングと絡めて私の過去動画で説明してますのでリンク貼っておきます!

10月

月曜日;ジョグ10〜14km(ZONE3 4:40~5:05/km)

火曜日;ジョグ10〜14km (ZONE3 4:40~5:05/km)

水曜日;レースペースインターバル1km×8〜12本(ZONE5 4:05~4:20/km)

木曜日;ジョグ10〜14km(ZONE3 4:40~5:05/km)

金曜日;ジョグ10〜14km(ZONE3 4:40~5:05/km)

土曜日;(1分急走+1分緩走)×10本(合計20分)

日曜日;LR 28〜35km (ZONE3 4:40~5:05/km)+1km×3本インターバル(ZONE6 3:55~4:05/km)

10月の週間スケジュールはこんな感じです。この時期からカーノーヴァさんのいうところの「特異的準備期」を意識してマラソンペースのトレーニングも入れていきます。 また心肺機能の強化も狙ってZONE3の強度でジョグをします。ランニングエコノミーも加味すると、ここまで使用してきたジョグの強度ZONE1や2だと少し遅いといったことも理由にあります。

そして週末のロング走も30kmまで伸ばしていきますカーディアック・ドリフトという言葉をご存知でしょうか?カーディアック・ドリフト(Cardiac Drift)は、運動中に心拍数が徐々に上昇する現象を指します。これは特に長時間の持久力運動(例えば、ランニングやサイクリング)を行っているときに観察されます。カーディアック・ドリフトは普段走っているマラソンランナーであれば90分以降に明確になります。マラソンでは筋の微細損傷に伴って疲れた脚に鞭を打って動かすため、心臓は通常よりも多くの血液を流す必要があるからです。体温の上昇・脱水・血液量の減少もカーディアック・ドリフトを引き起こします。このカーディアックドリフトに対処するためにある程度速いペースで心拍数を上げた状態で長い時間心臓に頑張らせる練習としてロング走を入れていきます。筋肉にエネルギー源であるグリコーゲンを蓄える力も養われます。

みやすさんによるとこの時期VO2maxの底上げは期待できないためスピード練習はファルトレークのように1分急走+1分緩走といった形のように「維持程度」で良いとされています。アーサーリディアードさんの提唱するシャープナー「50mダッシュ+50m流し」なども良いと書かれています。

11月

月曜日;ジョグ10〜14km(ZONE3 4:40~5:05/km)

火曜日;ジョグ10〜14km (ZONE3 4:40~5:05/km)

水曜日;レースペース走10〜12km(ZONE5 4:05~4/km)

木曜日;ジョグ10〜14km(ZONE3 4:40~5:05/km)

金曜日;ジョグ10〜14km(ZONE3 4:40~5:05/km)

土曜日;ジョグ8〜10km(ZONE2  5:05~5:30/km)+ウィンドスプリント(50m×4〜6本)

日曜日;LR 28〜30km (ZONE3 4:40~5:05/km)+1km×3本インターバル(ZONE6 3:55~4:05/km)

11月の週間スケジュールはこんな感じです。いよいよ本命レースの一本目まで1ヶ月を切ったこの時期、分割していたレースペースをつなぎ合わせる練習になっていきます。基本的には10月と同様の内容ですが、ポイントとしては少なくともレース2週間前までは練習量を落とさずこなすということです。1ヶ月前からテーパリングすると有酸素性能力、持久力を落とします。少なくとも2週間前までは練習量を落とさずこなしましょう。個人的には10日前からの落としでも良いと思っています。これはトラックレースでも同じな気がしています。

12月

月曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

火曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

水曜日;OBLAペース走6〜8km(ZONE6 3:55~4:05/km その場レストかリカバリージョグ200m)

木曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

金曜日;ジョグ10〜14km(ZONE1  5:30~6:00/km)

土曜日;VO2maxインターバル1000m×5〜7本(ZONE7 3:40~3:55/km)

日曜日;LR(21kmor120分)(ZONE1  5:30~6:00/km)

12月の週間スケジュールはこんな感じです。まずは一本目の本命レースが終わり、まずはしっかり休養して、次のレースに向けて英気を養います。フルマラソンは身体に大きなストレスをかけるため免疫性の疲労感、だるさ、風邪や感染症にかかりやすくなります。スピード練習を控え一旦オフモードでもいいとみやすさんは言っています。ただ、意外と?といったら良いのか。調子が良かったのであれば休養期間を設けず、特異性準備間を延長しあえてレースに出ると記録が望めることもあります。私もフルマラソンで自己ベストを出した翌月と翌々月、ハーフマラソンを2本走ることがあったのですが、立て続けに自己ベストを更新することがありました。また、私の知り合いでもある海外のマラソンレースで自己新を出し、翌週5000mのトラック競技で自己新を出すということもあったようです。あの高橋尚子さんもシドニーで金メダルを獲った翌月にベルリンでもう一本走らせる計画があったとも聞きます。恩師の小出義雄監督はそれくらい当時の高橋選手は調子が良かったと言っています。人類初の2時間20分ギリも1年早く誕生していたかもしれませんね。あくまで一例なので基本は休養期間にして良いと思います。少し余談ですが、この記事を書いている202411月現在、ついに女子マラソンでケニア人選手が2時間10分の壁を破りました。日本の男子選手と国際レースを走っても集団によってはついていけそうですね。

1月

月曜日;ジョグ10〜14km(ZONE2  5:05~5:30/km)

火曜日;ジョグ10〜14km(ZONE2  5:05~5:30/km)

水曜日;OBLAペース走6〜8km(ZONE6 3:55~4:05/km)orレースペース1000〜1200m

木曜日;ジョグ10〜14km(ZONE2  5:05~5:30/km)

金曜日;ジョグ10〜14km(ZONE2  5:05~5:30/km)

土曜日;ジョグ8〜10km(ZONE2  5:05~5:30/km)+ウィンドスプリント(50m×4〜6本)

日曜日;LR 21km (ZONE3 4:40~5:05/km)+1km×3本インターバル(ZONE6 3:55~4:05/km)

1月の週間スケジュールはこんな感じです。ほぼ9月の練習と同じで「基礎的準備期間」に相当するものです。以降のサイクルはほぼ同じで、4月から8月の「一般的準備期間」を省くイメージでしょう。

2月

月曜日;ジョグ10〜14km(ZONE3 4:40~5:05/km)

火曜日;ジョグ10〜14km (ZONE3 4:40~5:05/km)

水曜日;レースペース走10〜12km(ZONE5 4:05~4/km)

木曜日;ジョグ10〜14km (ZONE3 4:40~5:05/km)

金曜日;ジョグ10〜14km (ZONE3 4:40~5:05/km)

土曜日;ジョグ10〜14km (ZONE3 4:40~5:05/km)

日曜日;LR 28〜30km (ZONE3 4:40~5:05/km)

2月の週間スケジュールはこんな感じです。ここも10月のトレーニングとほぼ同じでこの時期からカーノーヴァさんのいうところの「特異的準備期」を意識してマラソンペースのトレーニングも入れていきます。 早めにレースペース走を分割ではなく通しで行っている印象です。3月末にレースと仮定するとこの月が一番練習のボリュームが多くなります。私自身も確かにそうで、常に脚にハリを感じたままポイント練習に挑んでいる印象があります。当然怪我のリスクも高まりますのでしっかり家で体を温めてから走り出しましょう。

3月

月曜日;ジョグ10km(ZONE3 4:40~5:05/km)

火曜日;ジョグ10km (ZONE3 4:40~5:05/km)

水曜日;レースペース走10〜12km(ZONE5 4:05~4/km)

木曜日;ジョグ10km (ZONE3 4:40~5:05/km)

金曜日;ジョグ10km (ZONE3 4:40~5:05/km)

土曜日;ジョグ8〜10km(ZONE2  5:05~5:30/km)+ウィンドスプリント(50m×4〜6本)

日曜日;LR14〜35km (ZONE4 4:20~4:40/km)

3月の週間スケジュールはこんな感じです。みやすさんとしては今から慌ててVO2maxを高めるようなインターバルを入れてもたかが知れていると述べられています。ただ、個人的には表記のメニューがこなせないと感じた時にあえて400m×101km×3などのインターバルやレペティションを少しだけ混ぜてあげると良いときもあります。その場合、一時的にジョグの強度をZONE1などに落としてもいいと思います。かつて高岡利成さんがマラソンで日本記録を樹立された際、2分50秒くらいで1km3本程度こなしたあと調子が良くなったようなことを、雑誌で見た記憶があります。このペースは彼にとって10kmやハーフのペースですが、悪い流れを変えるスパイスになることもあるので無理のない範囲で検討してみてください。またレースの週はみやすさんもZONE1にして極端に距離も落としています。確かに年間を通してここまで練習をこなせたらサブスリーは約束されたものと私も感じます。私はトラックの1500mにも標準を合わせているので少しだけ練習の流れは違いますが、基本的に期分けの概念みたいなものは同じような流れです。

終わりに・紹介した本のリンク

いかがだったでしょうか?以上が、サブスリーを目指すランナーのための「ケニア式」マラソン練習法と年間スケジュールのポイントです。個人的には特に「夏場の練習メニュー」について確立されたものがなかったので参考になりました。自分に合ったスケジュールを立てて、無理なく楽しくランニングを続けてくださいね。今回紹介した「超実践!みやすのんきのサブスリー教室 脅威の『ケニア式』マラソン練習法」といった本。まだまだいろんなトレーニング知識に関する情報が盛り込まれてます!↓タップしていただければ直接Amazonサイトで購入できます。

これからもランニングに役立つ情報をどんどんお届けします。また、私は静岡県富士市でランニング専門の治療とパーソナルトレーニングを行っています。病院や整体院の治療に加えて、自分の走りを根本から改善したい、もっと楽に走れるようになりたいという方、ぜひご来店ください!

それでは、また次回の記事でお会いしましょう。今日もご閲覧ありがとうございました

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