「MCT酵素とは」最強の乳酸シャトル強化法!閾値走で楽に長く走るコツ&無料アプリ紹介!

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こんにちは、理学療法士ランナー大森です。今回はとても興味深いテーマについてお話しします。それは、「乳酸をリサイクルする閾値走とMCT酵素」です。このテーマについて詳しく知るために、東京大学大学院の八田壽(はった ひさし)先生の研究と、著名なランニングコーチであるジャック・ダニエル氏の理論を元にお話しします。みなさんが今より楽に長く走るための有益な情報であること間違い無いので、是非最後までご覧ください。

では早速始めましょう!

目次

閾値走(いきちそう)とは?

閾値走は、最近では市民ランナーの間でも認知されているトレーニング方法です。学生の場合は「ペース走やペーらん」と呼ぶこともあります。インターバル練習よりも遅く、距離走よりも速いペースで、比較的長めに走る練習です。私は数ある練習内容の中で、最も中・長距離走者の能力を向上させる「ベース」になる練習と考えています。そのペースは一流選手であればハーフマラソンくらいのペースに該当します。

閾値走の生理学的効果

閾値走にはどのような効果があるのでしょうか?これを説明する上で「遅筋繊維(ちきんせんい;持久力にすぐれた筋)」や遅筋の特性を持つ「速筋繊維(そっきんせんい;瞬発力にすぐれた筋)」の中にある「ミトコンドリア」という細胞を知ることが重要です。ミトコンドリアに関しては私の投稿した動画(↓)で色々説明していますので、詳細はそちらを参考にしてみてください。

ここでは簡単に「エネルギー生産工場」と考えてください。閾値走を行うことで、このミトコンドリア自体の数や大きさを育てます。そして同時に乳酸を取り込む「MCT (モノカルボン酸トランスポーター)」という酵素も発達させます。

MCT酵素

MCT酵素を説明する前にまず、乳酸について簡単に説明します。運動中、特に高強度の運動を行うと筋肉で乳酸が生成されます。多くの人が乳酸を「疲労物質」として考えがちですが、実は乳酸はエネルギー源としても利用できます

乳酸が異なるタイプの筋繊維の間を行き来する

まず乳酸は、速筋繊維で多く作られます。一方、遅筋繊維や心筋では、乳酸は酸化されます速筋繊維はミトコンドリアは少なく、グリコーゲンは多く、糖分解の酵素も多くグリコーゲンを分解しやすい筋繊維です。そこで速筋繊維が働くと、グリコーゲンがたくさん分解されて乳酸を作りやすいということになります。一方遅筋繊維や心筋には、ミトコンドリアが多く乳酸を酸化しやすいので、乳酸はエネルギー源として利用されます。見方を変えれば、速筋繊維のグリコーゲンがまず乳酸となって速筋繊維から出て遅筋繊維や心筋に移動して、そこで利用されると言うことになります。

乳酸の行き来に関係する門番「MCT」

八田壽先生は、MCT酵素が乳酸を効率的にリサイクルする仕組みを解明しました。この酵素は乳酸を再びエネルギーとして利用するために必要なもので、これにより運動中のパフォーマンスを向上させることができます。

乳酸が速筋繊維でできて、遅筋繊維や心筋で利用されるとすると、速筋繊維から一度外に出て、それで遅筋繊維や心筋に入ることが必要になります。体は細胞からできているのですから、乳酸が筋繊維や心筋に出入りする時には細胞膜を通り抜ける必要があります。

この細胞膜で乳酸を通す仕事をしている輸送担体こそが「MCT」です。このMCTにはいくつか種類があります。速筋繊維にはMCT4という輸送担体があって、乳酸が外に出るのを助けます。一方遅筋繊維にはMCT4はあまりなく、MCT1という輸送担体があります。MCT1は乳酸を外から取り込む働きを主とします。ですから乳酸が速筋繊維から出るときには、MCT4が乳酸を外に出す働きをしてくれるし、遅筋繊維や心筋には乳酸を取り込む働きをするMCT1がいて乳酸を取り込んでくれるのです。このように、筋肉の性質によって異なる輸送担体が分布しているのも乳酸の代謝と合っているのです。

乳酸シャトル

ミトコンドリアとMCT酵素の発達によって、速筋繊維で作られた乳酸が、遅筋繊維のミトコンドリアで受け取られ、それをエネルギーとして再利用しやすくさせる、この一連の流れを「乳酸シャトル」と呼ぶ人もいます。ちなみに距離走で毛細血管を発達させることでも、乳酸シャトルを改善させます。

乳酸は一定のペースを超えると、急激に上昇するポイントが存在します。そのポイントを「OLBA(オルバ)」と呼びます。乳酸シャトルを改善することでこのポイントにおけるペースが上がっていきます。そのため速く走っても楽に感じるようになるのです。一般的には血中乳酸濃度が2mmol(ミリモル)を超えた点を「LT」と言い、4mmolを超えた点を「OLBA」と言います。最近よく聞く「中強度走」とはLT強度、「閾値走」というとOLBA強度を指します。

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乳酸シャトル改善には、このOLBAのペース前後で合計20分から30分走ることが重要だと言われています。前述しましたが、速い人の場合大体ハーフマラソンのペースになるようです。自分に合ったOLBAのペースを知るためには、ジャック・ダニエルズ氏の計算アプリを使って調べると良いでしょう。VDOTという指標を使うことで簡単に自分の閾値ペースを知ることができます。VDOT計算のできる無料アプリ、リンク先を概要欄に貼っておきますね↓

APP↓

https://apps.apple.com/jp/app/vdot-running-calculator/id973571014

Googleストア↓

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.runsmartproject.vdot_calculator&hl=ja&raii=com.runsmartproject.vdot_calculator&pli=1

閾値走の方法:ジャック・ダニエル氏の閾値走理論に基づいて

具体的なトレーニング方法としては、例えばOLBAペースで20分間続けて走るテンポ走という方法があります。

テンポ走の具体的方法

– ウォームアップを十分に行った後、自分の閾値ペースで20~30分間走ります

– このペースは「快適にきつい」と感じる程度の強度です。

しかし、このペースを続けて20分というと毎回レース並みに調整する必要があり、メンタル面やコンディション面でのストレスが高くなるかもしれません。またいちいち調整してしまうと、他のポイント練習を外す必要も出てきます。レース前に精神面を含めて「我慢する力」を強化するためには良い方法ですが、練習段階では効果を最大限に発揮するために、最低限の労力で行うことが大事です。そのため、分割したり、ビルドアップ(徐々にペースを上げていく)で時間を積算する方法が有効です。私もこのやり方で成果を出しました。ちなみに分割した閾値走のことをジャック・ダニエルズ氏は「クルーズインターバル」と読んでいます。

クルーズインターバルの具体的方法

4〜6分間の閾値ペースで走り、1〜2分間のジョギングまたはウォーキングの回復を行う。※回復時間は始めのうち次の閾値走が維持できると感じるまでとっていいと思います。慣れてきたら短くといった感じです。

– これを複数セット行います。

ジャック・ダニエルズ氏の「ランニングフォーミュラ」についても、購入リンク先貼っておきますね↓


まとめ・イベント情報・大森トレーニングジャーナル(2024年10月10日から10月12日)

今日は、乳酸をリサイクルする閾値走とMCT酵素についてお話ししました。東京大学大学院の八田壽先生の研究と、ジャック・ダニエル氏のランニング理論を元に、具体的方法や注意点を紹介しました。この知識を活用して、より効率的なトレーニングを行いましょう!

今後もランニングに役立つ情報をお届けします!また次回の記事で皆さんとお会いできること楽しみにしています。ご閲覧、ありがとうございました!

イベント情報❗️
『アフロ・ワンコイン』ランニングドリル🏃

11月2日(土)朝8時20分から8時50分
たった30分で参加できる!その後そのまま走るもヨシっ‼︎走力問わずどなたでも参加可能です👍

会場:富士総合運動公園 (静岡県)
定員:30名前後

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さらに!参加してくださった方には特典があります🤔❗️

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受付:富士総合運動公園陸上競技場入り口前
※8:10から受付開始

申し込み方法
公式LINEに友達追加していただきチャット(予約希望日等を入力する部分)に
①お名前
②性別(男・女)
③目標レースと目標タイム(例:静岡マラソンフルで5時間ギリ・来年6月の中体連1500mで4分08秒ギリetc.)
を記載して送信するだけです!😉※公式LINEでも申し込み方法説明してます👌

「LINEで予約」からも友達追加可能です👉

申し込み〆切:10/30(水)12:30

みんなで一緒に楽しくドリルを学びましょう!それでは、会場でお会いしましょう!😆 詳細動画はこちら↓

以下私「大森」のトレーニング内容(2024年10月10日から10月12日)です!ご参考まで。

2024年10月

10日;レペ400×5(800ペースから1500ペース・rest6分)

使用シューズ;ヴェイパーフライ
タイム※()内はrest平均心拍数/分
①64.35(124)
②63.21(133)
③64.84(134)
④64.63(139)
⑤64.61

コメント:風が強かったのもあってタイムは若干2日前より落ちた。ヒラメ筋の痛みは無くなってきた。あえて使う意識が筋力強化に繋がってたのだと思う。ただアップでリズムが悪かった。二日前の疲労は取れてないかも。土曜日に同様の練習をしたいが、若干インターバルかテンポ走も試して見たい気もする。そこで悪いなら翌日はチーム練習をせずにレペにするか?

11日;16.03kmjog芝

使用シューズ;ペガサス
平均ペース(/km);5:16
平均心拍数(/分);144
平均ピッチ(spm):165

コメント;からっとした暑さはあったが風もあり嫌な気候ではなかった。少しリズムが取りにくい感覚があって、あえて少しペースを上げた。ただ最後の方は疲れからかまたリズムが悪いと感じた。息切れは無い。練習終了後下腿の痛みが出る。昨日のレペアドバイスは傷まなかったので、長いjogの方が痛むかもしれない。リズムの悪さは昨日までのレペの積み重ねで脚の重さが出ているからだと感じる。

12日;1600×3ウェルピア(1周856.75mコース)

内容:5000mペース+5から+10秒/km
rest5分
タイム
1周(856.75m)と743.25mごと※()内心拍数/分
①2:43.43(162)2:24.24(188)
rest5:01(144)
②2:42.57(175)2:23.72(191)
rest5:14(144)
③2:44.61(177)2:22.97(192)

コメント;動きや体幹・姿勢また特にピッチを意識して走った。14分台を出した時のスピードではまだまだ走れていなしが、現状の実力を受け入れることで追い込んだ練習ができた。心拍数も190拍以上をキープできているならよく頑張った方だと思う。明日も同様のトレーニングで2日連続OLBA超えで乳酸作業閾値を焦らず徐々に上げていこう。まだ12月まで時間はある。

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